現実の地球を仮想空間に再現し、1平方メートルから「土地」を購入できる次世代アプリ――それが「Atlas Earth(アトラス・アース)」です。ゲーム感覚で不動産を所有し、収益も得られるこのアプリは、注目を集めています。
ポイ活で広告視聴をしていると、たまに広告表示されるので、知っている方もいるとは思います。しかし、その広告が結構怪しくて…(笑)詐欺じゃないか、怪しいのではないか、と感じる方もそれなりにいるのではないでしょうか。
実際にプレーしてみた感想をまとめてみました。
最初にお断りしておくと、Atlas EarthはNFTゲームではありません。しかし、仮想空間上の土地を所持するといった面がNFTゲームっぽかったのと、プレーしてみて結構面白かったので紹介しようと思いました。
Atlas Earthのゲームシステムについて
「Atlas Earth」は、現実世界の地図をもとに構築された仮想空間上で土地の購入・所有・収益化ができるモバイルアプリです。簡単にですが、そのゲームシステムを紹介します。
1.土地の購入
Atlas Earthは、土地の購入から全てが始まります。基本的には、土地の購入がこのアプリの全てです。
ユーザーは現実の地図上の1平方メートル単位の土地を、Atlas Bucks(アプリ内の通貨)を使って購入できます。Atlas Bucksは、様々な方法で獲得できますが、メインは20分に1回行うことができる公告視聴です。広告視聴することで、1Atlas Bucksを獲得できます。課金によってAtlas Bucksを獲得することもできます。
購入できる土地は自分の現在地周辺に限られています。現時点で、土地の場所による優劣はありません。将来的には、現実世界で人気の土地の価値が高くなるかもしれません。将来を見越して土地を選ぶのもありかもしれません。
土地を購入すると、所有権が得られます。土地は売ることもできるようです(私は売ったことがありませんが、土地を売るメニューは存在しています)。
2.所有による収益
土地を所有していると、賃料を得ることができます。賃料は、土地のレア度(希少性)によって変わります。土地のレア度は土地を購入したときに抽選によって変わります。レア度毎の賃料は、以下のようになっています。
レア度 | 賃料(秒あたり) | 賃料(日あたり) | 賃料(年あたり) |
---|---|---|---|
コモン(共通) | $0.0000000011 | 約 $0.00009504 | 約 $0.0347 |
レア | $0.0000000016 | 約 $0.00013824 | 約 $0.0505 |
エピック | $0.0000000022 | 約 $0.00019008 | 約 $0.0694 |
レジェンダリー(伝説的) | $0.0000000044 | 約 $0.00038016 | 約 $0.1388 |
賃料が5ドル以上たまると、現金に換金することができます。
たくさんの土地を持つことで、賃料が増えるので、多くの土地を獲得することが非常に重要になります。
収益ブーストとVIP制度
土地から得ることができる賃料は、広告視聴によって1時間の間20倍にブーストすることができます。
また、仮想空間は、現実世界と同じように、市や町といった行政区画ごとに区分けされています。そして、行政区画で最も多く土地を所有すると、その自治体のVIP(Mayor、Governor、President)になることができます。
VIPは、他のプレイヤーがバッジ(賃料をUPするアイテム)を購入したときに、その収益の一部(20Atlas Bucks)を獲得できます。
従って、VIPを狙う場合、同一の行政区画に集中して土地を購入したほうがいいです。
Atlas Earthは詐欺?怪しい?
Atlas Earthは詐欺なのでしょうか。怪しいアプリなのでしょうか。結論から言うと…
- Atlas Earthは詐欺ではないと思います。怪しくもありません。
- ただし、持続性には疑問もあり。
詳しく解説していきます。
詐欺?怪しい?
Atlas Earthが、詐欺なのか、怪しいかを以下の観点で考察しました。
1.収益の仕組みについて
Atlas Earthは、土地の賃料によって収益を獲得するゲームですが、実質的には、広告収入の一部をユーザーに還元しているにすぎません。このため、Atlas Earthの仕組みは、よくあるポイ活アプリと同様であり、その仕組み自体に怪しいところはありません。
2.運営について
Atlas Earthは、Atlas Reality, Incというアメリカの企業が運営しています。Atlas Reality, Incは、2017年に設立されており、位置情報を利用したゲームを配信しています。長い歴史のある会社というわけではありませんが、10年近く続いている企業であり、安心感があります。
3.Atlas Earthについて
Atlas Earthは、日本でこそ2025年に配信開始となりましたが、アメリカでは2021年11月15日に配信されています。つまり、Atlas Earth自体、3年以上続いているアプリということになります。それなりに続いているアプリなので、配信がはじまったばかりのアプリに比べると、信頼感があります。
4.実際に換金が行われている
私自身は、まだ賃料が5ドルに達していないため、現金への換金を行っていません。しかし、ネットをみると、実際に換金している人がいるため、賃料を貯めたのに換金できないということはないようです。
5.結論
- 収益が生じる仕組み→よくある仕組み
- 運営→それなりに続いている企業
- Atlas Earth→アメリカで3年の実績あり
- 現金への換金→実際に行われている
以上の理由から、Atlas Earthは詐欺でもないし、怪しくもないと思います。
持続性(継続性)には疑問あり
Atlas Earthの持続性、つまり、今後、長期にわたってサービスを続けていけるかについては少し怪しいと考えています。
Atlas Earthの特徴の1つは、土地を購入してしまえば、その土地が永続的に賃料を発生させてくれることです。その分、短期間で得られる収益は少なく設定されています。
つまり、Atlas Earthは、長期間続けないと稼げないような設計になっています。このこと自体は問題はありませんが、そもそもAtlas Earth自体がサービスを終了せずに、どれだけの期間続けられるかは疑問です。
Atlas Earthのサービスが続けば続くほど、ユーザーは土地を獲得していきます。つまり、運営がユーザーに支払う金額は、Atlas Earthのサービスが続くほど多くなっていきます。
ユーザーに支払う金額が多くなった分だけ、広告収入が増えればいいのですが、基本的に、Atlas Earthの広告視聴は、20分に1回のAtlas Bucksの獲得、1時間に1回の賃料ブースト、ミニゲームの機会に限られます。つまり、ユーザーに支払う金額が多くなったとしても、広告収入が増える仕組みにはなっていません。
逆に、土地が多いほどブースト率が低下するため、土地の数が増えたユーザーは、広告視聴しなくなるおそれすらあります。
下図のように、維持・管理費等を除けば、広告収入と賃料との差分が運営の収益となると思います。土地数が増えることで賃料は増える一方で、広告収入は増えないため、運営の収益が減っていきます。このため、今後、長期間にわたってサービスを継続できるかは疑問です。

サービスを継続するために、賃料を下げる、広告収入を増やすために広告視聴の機会を増やすといった対策は今後行われるかもしれません。実際に、2025/4/20から、ミニゲーム終了後の広告視聴が義務化されました。
サービスを長く続けていくために、今後、ユーザーにとって不利なアップデートがあるかもしれません。
まとめ
「Atlas Earth(アトラス・アース)」は、現実世界の地図をもとに仮想空間上で1平方メートル単位の土地を購入・所有できるアプリです。
広告視聴などで得られる通貨を使って土地を購入し、レア度に応じた賃料を得ることができます。
土地を多く保有することで収益が増える仕組みですが、収益の元は広告収入であるため、将来的な持続性には課題も。詐欺ではないものの、長期的な収益には慎重な姿勢が求められます。
課金を行う場合、はやめに原資回収をするなど、いつサービスが終了してもいいように対策をうっておくといいかもしれません。