ビットコインやイーサリアムの価格が上昇する中、暗号資産(仮想通貨)に興味を持つ人が急増しています。
しかし、「値動きが激しくて怖い」「ウォレット管理が難しそう」「税金が高い」と感じて、投資をためらっている方も多いのではないでしょうか。
そんな方に注目されているのが、「暗号資産に間接的に投資する方法」です。
暗号資産そのものを持たずに、関連企業やETF・投資信託を通じて市場の成長を取り込むことができます。
特に日本では、暗号資産の直接保有と比べて税制面で大きなメリットがあり、NISAを活用すれば非課税で運用することも可能です。
この記事では、
- 暗号資産に間接投資するメリット
- 日本の投資家が実際に使える具体的な方法
- 税金・NISA・リスクの注意点
をわかりやすく解説します。
リスクを抑えつつ、次世代の金融トレンドに賢く参加したい方は、ぜひ参考にしてください。

暗号資産を直接購入するのとは違うのかなぁ…
暗号資産に間接的に投資するとは?


暗号資産への投資と聞くと、多くの人がビットコインやイーサリアムを直接購入する直接投資を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、直接投資にはウォレット管理、ハッキングリスク、税務処理などの課題があります。
一方で「間接的に投資する」とは、暗号資産そのものではなく、それに関連する企業や金融商品(ETF・投資信託など)に投資する方法を指します。これにより、暗号資産市場の成長恩恵を受けつつ、リスクを一定程度コントロールすることが可能です。
暗号資産に間接的に投資するメリット
暗号資産に間接的に投資する場合、直接投資に比べて以下のメリットを得ることができます。
リスクを分散できる
間接投資では、対象によっては暗号資産単体よりもリスクを分散できます。
例えば、暗号資産関連株やテーマ型ETFは、暗号資産の値動きに加え、企業業績や株式市場全体の影響も受けるため、リスクが一方向に偏りにくいという特徴があります。
例えば、米国のテスラは、多額のビットコインを保有していますが、本業である電気自動車の製造・販売によって株価が変動します。このため、ビットコインの値段だけで株価が決まるわけではありません。
管理やセキュリティの手間を省ける
直接保有ではウォレットの管理や秘密鍵の紛失リスクがあります。
ETFや株式を通じて投資すれば、証券口座で完結し、セキュリティリスクを最小限に抑えられます。
日本の税制で大きなメリットがある
暗号資産に間接的に投資することで、日本の税制で大きなメリットを得ることができます。
日本では、暗号資産を直接保有すると「雑所得(総合課税)」として課税され、所得に応じて最大55%(所得税+住民税)という高税率になる可能性があります。
さらに、損失が出ても他の投資との損益通算や繰越控除ができません。
一方、暗号資産に間接的に投資する株式・ETF・投資信託は、「申告分離課税(20.315%)」の対象です。また、株・投信・ETF間での損益通算や3年間の損失繰越も可能で、税務上のメリットが非常に大きいのが特徴です。



暗号資産に間接的に投資する一番のメリットはこれですよ!
暗号資産に間接的に投資するデメリット(注意点)
暗号資産に間接的に投資する場合のデメリットももちろんあります。言い換えれば、これらは、暗号資産に直接投資する場合のメリットとなります。
暗号資産との連動性が限定的
間接投資(関連株・ETFなど)は、ビットコインやイーサリアムの価格に完全には連動しません。
企業の業績、株式市場全体の動向、為替変動など、他の要因で価格が左右されます。したがって、 暗号資産が上昇しても株やETFが下がる場合があります。
為替リスクがある
米国ETF(BKCH・BLCNなど)は米ドル建てのため、円高・円安によりリターンが変動します。
ビットコイン価格が上がっても、円高により円換算では利益が減るケースもあります。
もちろん、利益が増えるケースもあります。
ETFや投資信託にはコストが発生
ETFや投資信託には信託報酬(経費率)がかかります。例えば…
- BKCH:約0.5%/年
- BLCN:約0.7%/年
といったように、直接投資をする場合には発生しないコストが発生します。
また、米国ETFには売買手数料+為替手数料も必要です。→ 長期保有ではコスト差がリターンに影響します。
暗号資産ETFは日本で未承認
2025年現在、日本では暗号資産(ビットコイン現物など)を対象としたETFは承認されていません。
今のところ、ブロックチェーン関連ETFを通じて間接的に投資するしか方法がありません。
暗号資産に間接的に投資する具体的な5つの方法(日本版)
1.暗号資産関連企業の株式を購入する
暗号資産市場の成長に間接的に投資する最もシンプルな方法が、暗号資産やブロックチェーンに関連する企業の株式を購入することです。
これにより、暗号資産価格の上昇や業界の拡大による恩恵を受けることができます。
主な暗号資産関連企業(日本から購入可能)
- コインベース(Coinbase Global, Inc./NASDAQ: COIN)
アメリカ最大級の暗号資産取引所。取引手数料が主な収益源で、ビットコイン価格と強く連動。 - マイクロストラテジー(MicroStrategy Inc./NASDAQ: MSTR)
自社資産として大量のビットコインを保有する「上場版ビットコインETF」。 - NVIDIA(NASDAQ: NVDA)
マイニングやAI用途で使われるGPUを供給。暗号資産市場の活況が追い風に。 - GMOインターネットグループ(東証プライム: 9449)
日本最大級の暗号資産取引所「GMOコイン」を運営。マイニング事業も展開。 - メタプラネット(MetaPlanet Inc./東証スタンダード: 3350)
日本企業でありながら、ビットコインを企業資産として積極的に保有する戦略を採用。「日本版マイクロストラテジー」とも呼ばれる存在。
これらの株式は、日本の証券口座から購入できます(米国株・国内株どちらも対応)。
2.暗号資産ETF(上場投資信託)に投資する
2025年現在、日本では暗号資産(ビットコイン・イーサリアムなど)を直接対象としたETFは存在せず、購入できません。
金融庁が今後の承認を検討していますが、現時点で日本の証券会社では暗号資産ETFを買うことはできません。
しかし、日本の証券会社を通じて購入できるブロックチェーン関連ETFは複数存在します。これらは「暗号資産そのもの」ではなく、ブロックチェーン技術や関連企業に分散投資するテーマ型ETFです。
日本から購入できる代表的なブロックチェーンETF
| ETF名 | ティッカー | 主な内容 | 購入可能な証券会社 |
|---|---|---|---|
| Global X Blockchain ETF | BKCH | Coinbase、Marathon、Riotなど暗号資産関連企業を組入れ | SBI証券・楽天証券・マネックス証券 |
| Siren Nasdaq NexGen Economy ETF | BLCN | IBM、NVIDIAなどブロックチェーン技術活用企業に分散投資 | SBI証券・楽天証券・マネックス証券 |
※ Amplify Transformational Data Sharing ETF(BLOK) は、2025年現在 SBI証券では取扱いがなく購入できません。
これらのETFは米国市場(NASDAQ/NYSE Arca)に上場しており、日本の証券会社で外国株ETF取引口座を開設すれば購入可能です。NISAの「成長投資枠」で購入することもできます。
3.暗号資産関連の投資信託・ファンドを活用する
日本の運用会社でも、ブロックチェーン技術やWeb3関連企業に投資するファンドが登場しています。
専門家が運用するため、個別企業選定の手間を省き、分散されたポートフォリオで投資可能です。
4.ブロックチェーン技術を活用する企業への投資
ブロックチェーンは暗号資産の基盤技術であり、金融だけでなく物流・医療・ゲームなどでも活用が進んでいます。
この分野に関わる企業(例:スクウェア・エニックス、ソニーグループなど)に投資することで、暗号資産市場の成長を間接的に取り込むことができます。
スクエニは、ブロックチェーンゲームである資産性ミリオンアーサーを運営していましたが、既にサービス終了となっています。
5.暗号資産を扱う金融商品の利用(CFDやインデックスなど)
一部の国内証券会社では、ビットコインCFDやブロックチェーンインデックスなどの暗号資産関連デリバティブを提供しています。
「暗号資産関連デリバティブ」というのは、ビットコインなどの暗号資産そのものを直接持たずに、その価格変動に連動した金融商品のことを指します。
ただし、CFD取引はレバレッジがかかるため、リスク管理を徹底する必要があります。
暗号資産の間接投資に関するよくある質問
Q1:間接投資と直接投資、どちらが儲かるの?
短期的なリターンを狙うなら直接投資の方が値動きが大きく、有利な場合もあります。
ただし、税率やリスクを考慮すると、長期的には間接投資の方が有利になるケースもあります。
Q2:NISAで暗号資産に関連する投資はできる?
現時点でビットコインETF自体は対象外ですが、BKCHやBLCNなどのブロックチェーンETFは新NISAの「成長投資枠」で購入可能です。
これにより、非課税で暗号資産市場の成長に連動する投資が可能になります。
Q3:確定申告は必要?
証券口座を「特定口座(源泉徴収あり)」に設定すれば、確定申告は不要です。
暗号資産の直接取引のように複雑な損益計算を行う必要がありません。
Q4:日本でビットコインETFは買える?
いいえ。2025年現在、日本では暗号資産ETFは金融庁に承認されておらず、購入できません。
将来的な上場の可能性はありますが、現時点ではブロックチェーン関連ETFや株式を通じた間接投資が現実的な手段です。
まとめ|日本では暗号資産の間接投資が税制面で圧倒的に有利
暗号資産は今や世界的な金融の新しい柱として注目されていますが、価格変動や税制、セキュリティの面で不安を感じる人も多いのが現実です。
そんな中で、暗号資産に間接的に投資する方法は、リスクを抑えながら市場の成長を取り込む賢い選択肢として注目されています。
日本では、ブロックチェーン関連企業の株式(例:メタプラネット、GMO、マイクロストラテジーなど)や、ブロックチェーンテーマ型ETF(BKCH、BLCNなど)を通じて、暗号資産市場にアクセスできます。
これらは証券口座で簡単に取引でき、ウォレット管理やハッキングリスクを心配する必要もありません。
さらに、税制面の優遇(申告分離課税20.315%・損益通算可)やNISAの活用により、直接投資よりも効率的に資産形成を行える点も大きな魅力です。
一方で、価格の連動性が限定的だったり、為替リスクや信託報酬といったコストが発生する点は理解しておく必要があります。
総じて、暗号資産の間接投資は、安全性と成長性のバランスを取りながら投資できる現実的な手段です。
短期の投機ではなく、長期的な資産形成やポートフォリオの一部として取り入れることで、次世代の金融トレンドを無理なく取り込むことができるでしょう。
📌 一言でまとめると:
暗号資産に直接投資しなくても、関連株やETFを通じて市場の成長を取り込むことができる。
日本では税制上も有利で、NISAを活用すれば非課税運用も可能。
リスクを理解し、長期目線で分散投資を行うことが成功の鍵です。

